160kmを走るセンチュリーライドへ、初めて参加することにしました。
本番へ向け、まず100kmを走る練習をしていたときです。
それまで使っていたGarmin Edge 130の電池が、走行の途中で切れました。
スピードや距離を表示できないわけではありません。必要な機能はありました。
けれど、160kmを走り切る前に止まるなら、本番の道具としては使えません。
性能表の数字ではなく、これから走る時間に耐えられることが、買い替えの条件になりました。
必要な時間まで動き続けることも、性能の一つです。
最高峰ではなく、軽さと性能の均衡を選んだ
買い替えるなら、最上位モデルも考えました。
私は、釣り道具のように価格が感覚へ明確に表れるものでは、中途半端に買い直すより、自分にとっての最高峰を選ぶことがあります。
ただ、ロードバイクでは、機材の価格だけで走りが決まるわけではありません。
本体が大きく重くなれば、画面やバッテリーは強くなります。一方で、自転車へ載せて長い距離を走る道具としては、軽さも性能です。
そこで、最上位へ振り切らず、バッテリー、画面、機能と軽さの均衡が取れたEdge 850を選びました。
約8.7万円は安くありません。
それでも、本番の途中で使えなくなる不安を抱えず、走りながら必要な情報を見続けられることを優先しました。
気持ちいいときほど、速すぎる
特によく見ているのは、スピードとケイデンスです。
走っていて気持ちがいいときほど、スピードは上がります。
一方、きつくなってくると、ペダルを回す速さであるケイデンスが落ちます。
ロングライドでは、序盤に体力を使いすぎないことが重要だと、ライド仲間に教わりました。
スタート直後は体が軽く、前へ進みたくなります。けれど、そこで気持ちのまま速度を上げれば、後半へ残すはずの体力を使います。
スピードとケイデンスを見ることで、感覚だけでは気づきにくい変化を、その場で確認できます。
はやる気持ちを抑える
気持ちよく走れている序盤ほど、予定より速くなっていないかを見る。
疲れを先に見つける
きつさを我慢する前に、ペダルの回転が落ちていないかを見る。
最後まで一定にする
一瞬の速さではなく、160kmを通して走り続けられる配分へ戻す。
数字を見るのは、速さを証明するためではなく、走り方を戻すためです。
給水してからではなく、忘れる前に知らせる
画面が大きくなり、視認性は劇的に向上しました。
情報を見るために目を凝らす必要がなくなり、走行中に確認すること自体が苦痛ではなくなりました。
加えて便利だったのが、設定した時間に、音と一緒に水分補給や補給食を知らせる機能です。
ロードバイクでは、喉が渇いてから水を飲み、空腹を感じてから食べても、回復が間に合わないことがあります。
走ることへ集中していると、給水や補給を忘れます。気づいたときには、すでに脱水や消耗が進んでいるかもしれません。
通知は、起きた問題を報告するのではなく、問題になる前に次の行動を促します。
見えない先を、走る前に判断できる
危険箇所が近づけば通知され、上りへ入ればクライミング画面へ切り替わります。
この先どのくらい登るのかが分かれば、いま使う力を調整できます。
停止と再走行も検知するため、休憩後に記録の再開を忘れないよう、毎回ボタンを押す必要もありません。
Edge 850には、ほかにも多くの機能があります。
正直に言えば、そのすべてを使い切れてはいません。
ただ、必要だったのは、機能の数を使い切ることではありませんでした。
長い時間動く。走りながら読める。給水と補給を先に知らせる。危険や上りを、到達する前に伝える。
自分の走りを変えられるタイミングで、必要な情報が届くことでした。
いい機材は、練習の入口にもなる
高い機材を買っただけで、速く走れるようになるわけではありません。
ロードバイクは、釣り竿以上に、本人の練習が結果へ表れます。
一方で、いい機材を使うと、それだけで乗りたい気持ちは上がります。
自分の走りが見えるようになり、どこで速くなり、どこでケイデンスが落ちたのかが分かると、次の練習で試したいことが生まれます。
結果として、練習量も少しずつ増えました。
以前のサイクルコンピューターは、走行を記録する飾りに近かったのかもしれません。
Edge 850へ替え、初めて、数字を走り方へ使えるサイクルコンピューターになりました。
後から届く正しい情報より、いま届く判断材料
走り終わったあと、スピードが上がりすぎていたと分かっても、使った体力は戻りません。
給水を忘れていたと記録されても、走行中の脱水は防げません。
危険箇所を通過したあとに通知されても、安全な進路を選ぶ判断には使えません。

上り、危険、給水のタイミングを先に捉える
速度とケイデンスから現在の状態を確かめる
力、ペース、補給をその場で調整する
最後まで一定の走りを維持する
これは、仕事のデータも同じです。
集計が正確でも、意思決定が終わったあとに届けば、報告にはなっても判断材料にはなりません。
数字を増やすより先に、誰が、いつ、何を変えるために見るのかを決める必要があります。
一秒を削る世界では、判断材料のリアルタイム性が結果を変えます。
データの価値は、正しいことだけではなく、まだ行動を変えられる時間に届くことです。
TOOL USED IN THIS ARTICLE
Garmin Edge 850
160kmのセンチュリーライドへ向け、Edge 130のバッテリー不足をきっかけに選びました。軽さと性能の均衡を重視し、現在はスピード、ケイデンス、給水・補給通知、危険箇所、上りの情報を走りながら判断へ使っています。
Amazonで見る ↗数字を、行動を変えられる判断材料にする
集計項目を増やすのではなく、誰が、いつ、何を変えるために見る数字なのかを整理します。問題が起きたあとに報告する仕組みから、現場が先回りして判断できる運用へ変えます。
データ・業務設計について相談する