TOOLS & FIELD NOTES / WORK ENVIRONMENT

どこでも働ける、と、
どこでも同じ仕事ができる、
は違う。

外出先でも、自宅のウルトラワイドモニターに近い作業環境を再現したい。そう考えて、15.6インチと14インチ、2台のモバイルモニターを使いました。画面を持ち運んで分かったのは、働く気持ちと、同じ仕事ができる環境は別のものだということです。

2026.09.01 / Hironori Yamane

自宅のウルトラワイド環境を持ち運び、モバイルモニターで限られた机へ余白を残して再構成する図

外出先でも、大きな画面で仕事をしたい。

それが、モバイルモニターを買った理由でした。

自宅では、ウルトラワイドモニターへ複数の画面を並べています。ブラウザを二つ、Finder、標準メモ、iMessage、Warp、Codex、PowerPoint。

一つずつ切り替えるのではなく、必要なものを同時に見ながら作業します。

ノートPCだけを持って外へ出ると、同じソフトは使えても、同じようには仕事ができません。

そこで、普段使っていたPCと同じ15.6インチのモニターをもう一枚足し、画面の広さを単純に二倍にしようと考えました。

選んだ基準は、PCと同じ大きさ

最初に選んだのは、EVICIVの15.6インチでした。

解像度や端子を細かく比較して決めたわけではありません。

当時使っていたPCと同じ画面サイズを横へ置けば、画面の広さを素直に二倍にできます。

それより大きければ、持ち運びにくい。それより小さければ、隣へ並べたときに表示の感覚が変わる。

自宅と同じソフトを開き、できる限り同じ配置へ近づけるための、分かりやすい基準でした。

持ち運びたいのはモニターではなく、いつもの仕事の見え方だった。

画面を広げても、机は広がらなかった

15.6インチのモバイルモニターに、大きな不満はありませんでした。

自宅で常駐させているサイトやアプリを、外出先でも並べて表示できます。モバイルモニターは、いつもの画面構成へ近づけるために役立ちました。

仕事以外ではゲームにも使え、購入前に想定していたより用途は広がりました。

ただ、外出先では、画面だけを持ち運ぶわけではありません。

ノートPC、モバイルモニター、電源、飲み物、資料を、自宅よりも限られた机へ置きます。

画面を二倍にしたくても、机の幅が足りず、物理的に広げられないことがありました。

問題はモニターの性能ではなく、使う場所に余白がなかったことです。

14インチにしたら、タッチが自然になった

次に選んだのは、GMKtecの14インチ、4K、タッチ対応モデルでした。

モバイルモニターと並行してiPadも使っていたため、画面へ直接触れる操作を再現したいと考えました。

使い続けるうちに、外へ持ち出すなら15.6インチより少し小さくてもよいと思うようになり、14インチへ変更しました。4Kは、重視して選んだというより、条件に合う製品へ付いてきた機能です。

実際に役立ったのは、タッチと小型化でした。

デスクに置く大きなモニターも、技術的にはタッチ対応にできます。けれど、14インチという距離と大きさになるだけで、画面へ手を伸ばすことへの抵抗がぐっと下がりました。

同じ機能でも、置かれる大きさと距離によって、使うかどうかが変わります。

01 / 15.6 INCH

画面を二倍にする

PCと同じ大きさを並べ、自宅の作業環境へ近づける。

02 / 14 INCH

机に余白を戻す

少し小さくし、限られた机へ置きやすくする。

03 / TOUCH

操作との距離を縮める

手を伸ばせる大きさが、タッチを実際に使う機能へ変える。

現在は、仕事ではなくゲームに使っている

現在、モバイルモニターは、主にゲームで使っています。

私がテレビを使い、妻がモバイルモニターを好きな場所へ置く。

大きな固定画面で遊びたい人と、場所を選ばず遊びたい人が、同じ時間にそれぞれの環境を持てます。

仕事のために買った道具ですが、役割が変わったあとも使い続けています。

最初の目的から外れたから失敗なのではありません。

画面を必要な場所へ持っていけるという本質は変わらず、現在の生活に合う役割へ移りました。

「どこでも働ける」は、気持ちの話

「どこでも働ける」と「どこでも同じ仕事ができる」は、似ているようで違います。

MINDSET

どこでも働ける

うるさくても、狭くても、ネットがなくても、働けると思えば仕事は始められる。本人の気持ちと工夫に支えられる状態。

ENVIRONMENT

どこでも同じ仕事ができる

必要な画面、通信、道具、余白が揃い、自分にとっての最高の作業状態を再現できる。環境の条件に支えられる状態。

どこでも同じ仕事ができる環境なら、どこでも働きやすくなります。

一方、働こうと思えば、同じ環境がなくても仕事はできます。

ただし、それを毎回本人の気持ちで乗り越える設計にすると、できる人だけが頑張ることになります。

モバイルモニターは、働ける人を作る道具ではありません。

その人が普段どのように考え、何を同時に見ているのかを、別の場所でも再現するための道具でした。

仕事にも、モニターにも、余白が必要だった

環境をギリギリで設計すると、少し条件が変わっただけで使えなくなります。

15.6インチを置けば画面は広がります。しかし、机が小さければ、PCや飲み物を置く場所がなくなります。

機能を最大にすることと、全体が使いやすくなることは同じではありません。

仕事の仕組みも同じです。

通常の手順だけで無駄なく埋めると、急な依頼、違う端末、慣れていない人といったイレギュラーを受け止められません。

個々人がベストを尽くせる状態を作るには、道具を揃えるだけでなく、その道具を置き、使い方を変えられる余白が必要です。

最高の環境は、機能を詰め込んだ状態ではなく、変化を受け止められる状態です。

TOOL USED IN THIS ARTICLE

GMKtec 14インチ 4K タッチ対応モバイルモニター

15.6インチのモバイルモニターを使ったあと、外出先の机へ置きやすい14インチと、iPadに近いタッチ操作を求めて選びました。4Kは選定の中心ではなく、実際に役立ったのは小型化とタッチでした。現在は主にゲーム用として使っています。

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人がベストを尽くせる環境をつくる

ツールを増やすことから始めず、誰が、どこで、何を同時に見て仕事をしているかを整理します。通常時だけでなく、場所や人が変わっても続けられる余白を残し、現場に合う仕事環境を設計します。

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