TOOLS & FIELD NOTES / HOME AUTOMATION

自動化は、便利にすることではなく、
思い出さなくていい状態をつくること。

スマートホームが当たり前ではなかった頃から、照明や空調を少しずつ自動化してきました。すべてを自動にするのではなく、一本つないで、調整して、広げる。不便になったところは、手動へ戻しています。

2026.09.01 / Hironori Yamane

日の出から夜まで、照明、空調、水槽、パルダリウム、犬の環境が自動で整うスマートホームの図

スマートホーム化を始めた理由は、困りごとを解決したかったからではありません。

まだ家庭の照明や家電をインターネットへつなぐことが一般的ではなかった頃、新しいものを試してみたいと思った。それが始まりでした。

Philips Hueの照明やMerossのスマート電源を選んだのも、当時この分野を先行していたからです。2026年には、次の選択としてTP-Link Tapo P300/Aを購入しました。

最初から家中を変える計画があったわけではありません。まず一つつないで、何が起きるかを見てみました。

時間を決めるだけでは、暮らしに合わなかった

最初に自動化したのは、照明の点灯と消灯でした。

決まった時間になったら明かりをつけ、夜になったら消す。単純な設定でも、毎日同じスイッチを押す必要はなくなります。

ただ、暮らしは毎日まったく同じではありません。

夏と冬では、外が暗くなる時間が違います。寝室を快適な温度にしておきたい時刻も、季節や、その頃の寝つき方によって変わります。

そこで、時刻だけでなく、日の出や日の入りを目安に照明を動かすようになりました。寝室の空調も、季節と生活の状態を見ながら、動かし始める時間と止める時間を調整しています。

自動化は、一度設定して終わるものではない。暮らしを見ながら、少しずつ合わせていくものです。

人が楽になるだけではなかった

外出するときは、照明や空調が外出時の状態へ切り替わる。帰宅すれば、暗い家ではなく、明るい家が迎えてくれます。

リモコンを探すことも減りました。荷物や子どものもので両手が塞がっていても、一つずつスイッチを操作する必要がありません。

けれど、自動化の効果を強く感じたのは、人の手間が減ったときだけではありません。

アクアリウムやパルダリウムでは、決まった時間の照明やファンの運転が必要です。犬を含め、生き物にとって室温や光の変化は、人が少し不便に感じる以上に大きな問題になります。

人が忘れずに操作するのではなく、必要な環境が一定のリズムで保たれる。

家族が安全に、健康に過ごせる状態を支えることも、スマートホーム化の役割になりました。

インターネットへつなぐと、インターネットに依存する

もちろん、うまくいくことばかりではありません。

スマートホーム機器には、初期設定で2.4GHz帯のWi-Fi接続を求めるものがあります。一方、家庭で5GHz帯を使う場面が増えると、設定時に接続先を合わせる必要があり、最初の接続が不安定になることがありました。

そして、インターネットを軸にした仕組みは、ネットワークが止まると機能の一部も止まります。

一つの操作が楽になる代わりに、別の場所へ依存が生まれる。便利になった部分だけでなく、止まったときに何が使えなくなるかまで見ておく必要があります。

自動化しない方がよいものもある

現在、家の照明と空調の多くはスマートホーム化しています。

一方、リビングのシーリングファンは手動のままです。

シーリングファンは、季節やその日の体感によって回転方向を変えます。決まった時刻だけでは判断できず、人がその場で感じて決める方が自然だからです。

自動化できることと、自動化した方がよいことは同じではありません。

自動化によってかえって不便になったなら、無理に仕組みへ合わせず、手動へ戻す。その判断も自動化の一部だと考えています。

まず、今のルーティーンを洗い出す

家庭の自動化も、仕事の自動化も、進め方はよく似ています。

最初にすることは、ツールを探すことではありません。

毎日、毎週、毎月、自分が繰り返していることを洗い出す。何をきっかけに、何を操作し、どの状態になれば終わりなのかを確認する。

そのあとで、照明や空調に対応する道具を選びます。

01 / 見つける

繰り返している操作を洗い出す

02 / 選ぶ

その操作に合う道具を選ぶ

03 / つなぐ

まず一本だけ動かしてみる

04 / 調整する

時間・季節・体感に合わせる

05 / 広げる

うまくいった範囲だけ拡張する

いきなり家中をつながない。まず一本つないでみる。うまくいったら、時間、季節、体感に合わせて調整する。それから次へ広げます。

仕事でも、最初からすべての業務を自動化しようとすると、例外や現場の感覚が見えなくなります。

一つのルーティーンから始め、動かしながら整える。人が判断した方がよいところは、人へ残す。

頑張って自動化しない。自動化のために不便になったら、潔く手動へ戻す。

自動化の目的は、操作しないことではない

明るい家へ帰ること。寝る前に部屋がちょうどよい温度になっていること。水槽や植物、生き物に必要な環境が、人の忙しさに左右されず保たれること。

自動化の価値は、スイッチを押さなくてよくなることだけではありません。

忘れないように頑張らなくても、必要な状態が続くことにあります。

そのために、まず今の行動を観察する。道具を一つつなぐ。実際に使い、調整し、成立したものだけ広げる。

そして、仕組みにしない方がよい判断は、人の手へ残す。

家庭でも仕事でも、私が作りたいのは、すべてが自動になった状態ではありません。

人が毎回思い出さなくても、大事なことが自然に回っている状態です。

TOOL USED / LIGHTING

Philips Hue

照明の時間設定や、日の出・日の入りに合わせた運用に使用しています。スマートホーム化へ取り組み始めた当時、この分野を先行していたことが選定理由でした。

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TOOL USED / POWER

TP-Link Tapo P300/A

Merossを使ってきた後、2026年に新しく選んだスマート電源タップです。スマートコンセント4口にUSB-Cを1口、USB-Aを2口備え、電源管理と充電を一台へまとめられます。

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一つのルーティーンから、自動化を始める

毎日繰り返している入力、確認、転記、通知。現在の手順を洗い出し、まず一本だけ動かして、現場に合わせて調整します。すべてを機械へ渡さず、人が判断すべき部分を残した業務設計とAI活用を支援します。

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