PCには、仕事を速くするショートカットがたくさんあります。
けれど私は、それを覚えることが好きではありませんでした。
操作の名前とキーの組み合わせを記憶し、必要な瞬間に思い出す。速くするための方法なのに、その前に覚える仕事が増えます。
そんなときに見つけたのが、Stream Deckでした。
よく使う操作を登録し、名前やアイコンを付け、ワンボタンで実行する。ショートカットを覚えなくても、押す場所を見れば次の操作が分かります。
人が操作を覚えるのではなく、道具の側に仕事を覚えさせる。
最初に置いたのは、毎日探していたもの
特別に複雑な自動化から始めたわけではありません。
自分のポートフォリオやGoogle Analyticsなど、よく見るサイト。仕事や相手によって使い分けるZoomのリンク。PowerPointやPhotoshopで何度も繰り返す作業工程。
それまで、ブックマークを開いて目的のページを探したり、検索欄へ名前を入力したり、同じ順番でメニューを選んだりしていました。
一回なら、小さな手間です。
けれど、毎日何度も行うものは、そのたびに「どこだっけ」「次は何だっけ」と考えます。
よく見るサイト
ポートフォリオやAnalyticsなど、確認と共有の起点をボタンから開く。
仕事別のZoom
相手や案件ごとのリンクを探さず、表示された名前から会議へ入る。
制作の定型操作
PowerPointやPhotoshopで繰り返す工程を、一つの操作にまとめる。
Stream Deckへ置いたことで減ったのは、クリック数だけではありません。
探す、思い出す、入力する、同じ工程を繰り返す。仕事の本題ではない、小さな判断が減りました。
ダイヤルが欲しくて、Stream Deck+へ替えた
その後、ダイヤルを備えたStream Deck+へ買い替えました。
音量調整のように、マウスでつまみを探し、ドラッグしていた操作を、手元のダイヤルへ置き換えられると考えたからです。
ボタンでうまくいったのだから、ダイヤルでも操作を減らせるはずでした。
けれど、実際には、ダイヤルを使う場面はPCの音量調整くらいでした。
機能を見たときには、いろいろな用途を想像しました。それでも、私の普段の仕事は、連続して量を変える操作より、決まった行き先や工程を呼び出す操作の方が多かったのです。
できることが増えても、自分の仕事に必要なことが増えるわけではない。
Stream Deck+へ替えたあとも、使い方の中心はボタンのままです。
この失敗から、機能の豊富さではなく、自分が何度も繰り返している行動から道具を選ぶべきだと分かりました。
いま一番押しているのは、マイクのボタン
現在、地味によく使っているのは、マイクのオン・オフです。
一日の仕事にミーティングが多く、話さない時間だけ手元でマイクを切り、必要なときにすぐ戻します。
Zoom側のミュートボタンを操作するのではなく、PC側のマイクを手元で切り替えるため、画面上の参加状態を大きく変えずに操作できます。
派手な自動化ではありません。
ただ、毎日何度も使い、押した結果が迷わず分かり、操作のために会話から意識を外さなくて済みます。
結局、長く残ったのは「何でもできるボタン」ではなく、日々の小さな摩擦を確実に消すボタンでした。
仕組み化は、作業を観察するところから始まる
Stream Deckへ何を登録するかは、製品が決めてくれません。
まず、自分が普段どこで手を止め、何を探し、どの操作を繰り返しているかを見つける必要があります。
毎日の中で繰り返している操作を見つける
リンクや工程を一つの単位へ整理する
名前と意味が分かるボタンとして配置する
実際に使うものだけを残し、使わない機能は外す
この流れは、いま取り組んでいる業務の仕組み化と同じです。
既存の手順をそのまま自動化するのではなく、まず、どこで人が探し、覚え、同じ判断を繰り返しているかを見る。
それを、誰が見ても次の動作が分かる形へ翻訳する。一本つないで、使われなければ外し、残ったものを広げる。
重要なのは、複雑な自動化を作ることではありません。
人が頑張って覚えなくても、いつもの仕事が同じように進む状態を作ることです。
便利だったのは、速さより「覚えなくていい」こと
Stream Deckを使えば、同じ操作を数秒短くできます。
けれど、私にとって一番大きかった変化は、時間ではありません。
ブックマークの場所も、ショートカットの組み合わせも、作業工程の順番も、頭の中へ置いておかなくてよくなったことです。
必要な仕事は、必要な名前でボタンに並んでいる。押せば、いつもと同じところから始められる。
良い仕組みは、人を速くする前に、人が覚えなくても進めるようにする。
TOOL USED IN THIS ARTICLE
Elgato Stream Deck+
ボタン、タッチストリップ、ダイヤルを備えた操作デバイスです。私は主に、よく使うサイト、Zoom、制作工程、マイク操作をボタンへ登録しています。ダイヤルを目的に買い替えましたが、現在も利用の中心はボタンです。
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人が探し、思い出し、同じ判断を繰り返している業務を見つけ、誰でも次の動作が分かる形へ整理します。最初から大きく自動化せず、一本つないで使いながら、現場に残る仕組みへ育てます。
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